暗闇3
***
「あいつ、絶対俺のこと新人の頃と変わらないと思ってんだよ」
その日の夜、俺はまたバーで菅野の愚痴をこぼしていた。
「親が、子どもが何歳になっても小さい子どもだと思うのと同じですね」
「そんないいもんじゃないだろ」
「大きい事件で手柄を立てるとか」
「これでもけっこう検挙してんだけどなぁ。菅野には負けるけど……」
うっかり名前を出してしまい、口を塞いだ。愚痴は言っても名前は出さないようにしていたのに。マスターはグラスを拭きながら「どうしました?」と微笑んでいる。どうやら聞こえていないようだ。
「どっちにしろ、こんな狭い街じゃそうそう大きい事件なんて起きないし」
「この辺の大きい事件って……」
「なに?」
「……あ、なんでもないです。そういえば、今日は祐之介くん来ないんですか?」
「電話したんだけど、まだ仕事してるって」
「忙しいんですねぇ。祐之介くん、ノルマあるって言ってたし」
「あいつがサラリーマンって変な感じ。ぽやーんとしたイメージしかないから」
「祐之介くんとは付き合い長いんですか?」
祐之介とは、確か中学二年の時に知り合った。学校は同じだったけどクラスは違ったし、そもそもタイプが真逆なので、互いに積極的に仲良くなりたいと思う存在ではなかった。
ある学校帰りに駅に行った時だ。俺は自転車通学だったので普段は駅に用はないが、友人と少し離れた街へ遊びに行く約束をしていたのだ。公衆トイレに入ると、そこで祐之介が他校の不良に絡まれているのを見た。三人くらいの図体のでかい男が、子羊みたいなか弱い男子を囲んで金を要求している。正義感が強いわけじゃないが、その構図が放っておくにはあまりに気の毒だったので、無意識というか、ついというか、なんとなくその場の流れで祐之介を助ける展開になったのだ。
「なんとなくの流れで不良の輪に突っ込んでいったんですか」
「見た目デカイだけで、喧嘩はてんで弱かったよ。昔、空手してたからなんとかなるかなって思って」
「祐之介くんにとっては救世主ですね」
確かにあのあとから懐かれて、仲良くなった。もともと引っ込み思案で消極的な祐之介は友達があまりいなかった。高校も俺のあとを追って同じ学校を選んだといっても過言ではないだろう。俺は誰かとべったりした人間関係を築く性質ではないが、やはり「みっちゃん、みっちゃん」と言ってくれることは素直に嬉しかった。
「本当に仲良しなんですね」
「そう、仲良しなの」
ポケットの中でスマートフォンが震えた。電話の相手は噂をすればの祐之介だった。
「仕事終わった? 店、来る?」
『今、終わったところなんだ。みっちゃん、出てこれる? 僕の家に来ない?』
突然の誘いに、訝しさ二割、嬉しさ八割くらいで二つ返事で受けた。
「また一緒に来てくださいね」
「伝えとく」
祐之介の家は電車で二駅だ。大学卒業を機に一人暮らしを始め、駅の真裏のアパートに住んでいる。部屋を借りてすぐの頃に一度だけ訪れたが、就職してからは来たことがなかった。かれこれ七年は経つ。バーでけっこうな量の酒を飲んだが、せっかくなので缶ビールと酎ハイくらいは買っていくことにする。
「いらっしゃい、僕の部屋来るの、久しぶりだね」
七帖ほどの1K。玄関も台所もひとり通るのが精一杯なほど狭いが、一人暮らしには充分だ。それに余計な物がなく、すっきりと整頓された部屋で祐之介の几帳面な性格が表れている。
「ビール飲む?」
「買ってきてくれたんだ。ありがとう」
「俺、臭くない? 今日、死体現場行ったんだ。一応、一旦家に帰って風呂入ってから出てきたんだけど」
「そうなんだ。大丈夫だよ。何か事件?」
「いや、自殺したばあさんの家」
「……へぇ」
「相変わらず綺麗にしてんのな」
「物が少ないだけだよ。ちょっと着替えてもいいかな」
祐之介がスーツであることに今、気付いた。こいつも帰宅したばかりなのだろう。「どうぞ」と、すぐ傍で衣服を脱ぎ始める祐之介の傍らでビールの蓋を開けた。
「みっちゃん、仕事はどう?」
「正直言って、つまんない。交番時代のほうが楽しかったなぁ。近所のおばちゃんとかが差し入れくれたりさ、泥棒ひとり捕まえるのも、なんかやりがいがあった。今は……あんまり人の役に立ってる気がしない」
「そうかなぁ。事件の捜査って素人が聞いたらかっこいいけどね」
「刑事の仕事なんて大半デスクワークだよ。裕だって人のお金預かったり、大金扱うわけでしょ? 俺なら無理だね」
「それこそ誰でもできるよ」
「俺なら大金に目がくらんで横領しそう」
祐之介はくすくすと控えめに笑った。
「みっちゃんと話してると、なんか励まされるよ」
裕は上半身を脱いだままで、俺の隣に腰を下ろした。なんで着ないんだろう、まだ冷え切ってないし、暑いからかな、なんて酔いの回った頭で考えた。
「僕、みっちゃんの話聞いてると、自分も頑張らなきゃなって思うんだ」
「どのへんで?」
「なんだかんだ言って、みっちゃんはいつも一生懸命仕事してるじゃない。反りの合わない上司とだって、文句言いながらもめげずに一緒にいるわけでしょ。僕はみっちゃんの強さが羨ましい。……覚えてる? 中二の頃、僕が駅で不良に絡まれてるところをみっちゃんが助けてくれたの。本当にかっこよかった」
つい先程バーでマスターにも同じ話をしたところである。普段から褒められ慣れていないので、そう言われると嬉しいというより恥ずかしい。
「あの頃から一方的に僕が付きまとってたけど、みっちゃんは嫌な顔ひとつせずに僕に付き合ってくれるよね」
むしろ祐之介の優しさが心地よくて甘えているのは俺のほうだ。けれども、俺はそれを照れくさくて口にはできなかった。
「みっちゃんは、僕の、ヒーローなんだ」
「大袈裟すぎだろ。つーか、さっきからやめてくれよ、恥ずかしいな」
祐之介は改めて正座をして、俺に向き直った。膝の上の拳は震えている。妙な空気が漂った。
「みっちゃんに……お、お願いが、あるんだ」
「お願い?」
「ぼ、僕を……、抱……いて、くれないかな」
その直後、アパートのすぐ裏に敷かれている線路の上を列車が通り、普段ならたいして気にならないであろうその騒音がやたら耳に響いた。列車が走り過ぎた途端に部屋の中に静寂が訪れる。
「……え……どういう……」
「みっちゃんはっ……男なんか興味ないの、分かってる……。きっと僕みたいなガリガリの硬い体触っても、絶対気持ち良くないって……。だけど僕は……みっちゃんが、好きだ」
思いがけない告白は、喜びでも驚きでもなく、ただ――ショックだった。
祐之介が俺を好き。紛れもない恋愛感情で、というのは祐之介の様子から分かる。普通なら喜ぶところかもしれない。俺だって同性愛者なのだから、互いに分かり合えるし、俺も種類は違っても祐之介が好きだ。
なんでショック?
今まで聞かされなかったから、気付かなかったから、……抱いてくれと頼んできたのが、親友だったからだ。俺の前で顔を真っ赤にして俯いている祐之介は、今まで見た中で一番頼りなくて、可愛い。体は細くて、色も白い。抱いてくれと言われて断るゲイはいないだろう。俺は本来、抱くより抱かれるほうが多いが、抱けと言われればたぶん、抱ける。
けれど問題はそこじゃないのだ。
もし、ここで一線を越えたら、俺と祐之介は「友達」じゃなくなる。互いに知ってはいけないものを知ってしまったような、友達同士の付き合いからズルズルと体の関係になるだけだ。そのうちに身動きが取れなくなって縁を切るしかなくなるだろう。
――それだけは、嫌だ。こいつだけは失いたくない。
一生親友のままで、いつまでも「みっちゃん」と「祐」の関係でいたい。こいつも今は「抱いてくれ」なんて言ってるけど、そのうち分かってくれるはずだ。
「……何、言ってんだよ。馬鹿も休み休み言えって」
口にした言葉は、自分でも驚くほど突き放したものだった。そして自分の意志とは関係なく、次々に溢れてくる。
「俺は男を抱く趣味はないぜ。なんだよ、酒も飲んでないのに酔ってんのか? ほら、さっさと服着ろよ」
祐之介の顔をまともに見られなかった。一瞬だけ見た祐之介の目は潤んでいて、頬も耳も真っ赤にして唇を震わせていた。
――そんな目で見ないでくれ。
重い沈黙が流れ、やがて祐之介は震える声で「そうだよね」と呟いた。
「ご、ごめんね。……ちょっと冗談、きつかったね」
「……おー……」
肌と衣服が擦れる音が聞こえた。いそいそと着替える祐之介の後姿が哀れで小さくて、心臓が真っ二つに引き裂かれるような痛みに襲われた。心の中で何度も謝った。
――ごめん、ほんと、ごめん、許して、意気地なしでごめん。
「……あ、仕事……ひとつ残ってたから、今日は帰るわ……」
「そっか……大変だね」
祐之介は振り返らずに、俺のあからさまな嘘に合わせてくれた。部屋を出ようとする俺を引き止めないのは、祐之介もこの空気が気まずいからだ。
「また、飲もうな」
「うん、……みっちゃん、ありがとう」
祐之介は最後まで振り返らなかった。
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「あいつ、絶対俺のこと新人の頃と変わらないと思ってんだよ」
その日の夜、俺はまたバーで菅野の愚痴をこぼしていた。
「親が、子どもが何歳になっても小さい子どもだと思うのと同じですね」
「そんないいもんじゃないだろ」
「大きい事件で手柄を立てるとか」
「これでもけっこう検挙してんだけどなぁ。菅野には負けるけど……」
うっかり名前を出してしまい、口を塞いだ。愚痴は言っても名前は出さないようにしていたのに。マスターはグラスを拭きながら「どうしました?」と微笑んでいる。どうやら聞こえていないようだ。
「どっちにしろ、こんな狭い街じゃそうそう大きい事件なんて起きないし」
「この辺の大きい事件って……」
「なに?」
「……あ、なんでもないです。そういえば、今日は祐之介くん来ないんですか?」
「電話したんだけど、まだ仕事してるって」
「忙しいんですねぇ。祐之介くん、ノルマあるって言ってたし」
「あいつがサラリーマンって変な感じ。ぽやーんとしたイメージしかないから」
「祐之介くんとは付き合い長いんですか?」
祐之介とは、確か中学二年の時に知り合った。学校は同じだったけどクラスは違ったし、そもそもタイプが真逆なので、互いに積極的に仲良くなりたいと思う存在ではなかった。
ある学校帰りに駅に行った時だ。俺は自転車通学だったので普段は駅に用はないが、友人と少し離れた街へ遊びに行く約束をしていたのだ。公衆トイレに入ると、そこで祐之介が他校の不良に絡まれているのを見た。三人くらいの図体のでかい男が、子羊みたいなか弱い男子を囲んで金を要求している。正義感が強いわけじゃないが、その構図が放っておくにはあまりに気の毒だったので、無意識というか、ついというか、なんとなくその場の流れで祐之介を助ける展開になったのだ。
「なんとなくの流れで不良の輪に突っ込んでいったんですか」
「見た目デカイだけで、喧嘩はてんで弱かったよ。昔、空手してたからなんとかなるかなって思って」
「祐之介くんにとっては救世主ですね」
確かにあのあとから懐かれて、仲良くなった。もともと引っ込み思案で消極的な祐之介は友達があまりいなかった。高校も俺のあとを追って同じ学校を選んだといっても過言ではないだろう。俺は誰かとべったりした人間関係を築く性質ではないが、やはり「みっちゃん、みっちゃん」と言ってくれることは素直に嬉しかった。
「本当に仲良しなんですね」
「そう、仲良しなの」
ポケットの中でスマートフォンが震えた。電話の相手は噂をすればの祐之介だった。
「仕事終わった? 店、来る?」
『今、終わったところなんだ。みっちゃん、出てこれる? 僕の家に来ない?』
突然の誘いに、訝しさ二割、嬉しさ八割くらいで二つ返事で受けた。
「また一緒に来てくださいね」
「伝えとく」
祐之介の家は電車で二駅だ。大学卒業を機に一人暮らしを始め、駅の真裏のアパートに住んでいる。部屋を借りてすぐの頃に一度だけ訪れたが、就職してからは来たことがなかった。かれこれ七年は経つ。バーでけっこうな量の酒を飲んだが、せっかくなので缶ビールと酎ハイくらいは買っていくことにする。
「いらっしゃい、僕の部屋来るの、久しぶりだね」
七帖ほどの1K。玄関も台所もひとり通るのが精一杯なほど狭いが、一人暮らしには充分だ。それに余計な物がなく、すっきりと整頓された部屋で祐之介の几帳面な性格が表れている。
「ビール飲む?」
「買ってきてくれたんだ。ありがとう」
「俺、臭くない? 今日、死体現場行ったんだ。一応、一旦家に帰って風呂入ってから出てきたんだけど」
「そうなんだ。大丈夫だよ。何か事件?」
「いや、自殺したばあさんの家」
「……へぇ」
「相変わらず綺麗にしてんのな」
「物が少ないだけだよ。ちょっと着替えてもいいかな」
祐之介がスーツであることに今、気付いた。こいつも帰宅したばかりなのだろう。「どうぞ」と、すぐ傍で衣服を脱ぎ始める祐之介の傍らでビールの蓋を開けた。
「みっちゃん、仕事はどう?」
「正直言って、つまんない。交番時代のほうが楽しかったなぁ。近所のおばちゃんとかが差し入れくれたりさ、泥棒ひとり捕まえるのも、なんかやりがいがあった。今は……あんまり人の役に立ってる気がしない」
「そうかなぁ。事件の捜査って素人が聞いたらかっこいいけどね」
「刑事の仕事なんて大半デスクワークだよ。裕だって人のお金預かったり、大金扱うわけでしょ? 俺なら無理だね」
「それこそ誰でもできるよ」
「俺なら大金に目がくらんで横領しそう」
祐之介はくすくすと控えめに笑った。
「みっちゃんと話してると、なんか励まされるよ」
裕は上半身を脱いだままで、俺の隣に腰を下ろした。なんで着ないんだろう、まだ冷え切ってないし、暑いからかな、なんて酔いの回った頭で考えた。
「僕、みっちゃんの話聞いてると、自分も頑張らなきゃなって思うんだ」
「どのへんで?」
「なんだかんだ言って、みっちゃんはいつも一生懸命仕事してるじゃない。反りの合わない上司とだって、文句言いながらもめげずに一緒にいるわけでしょ。僕はみっちゃんの強さが羨ましい。……覚えてる? 中二の頃、僕が駅で不良に絡まれてるところをみっちゃんが助けてくれたの。本当にかっこよかった」
つい先程バーでマスターにも同じ話をしたところである。普段から褒められ慣れていないので、そう言われると嬉しいというより恥ずかしい。
「あの頃から一方的に僕が付きまとってたけど、みっちゃんは嫌な顔ひとつせずに僕に付き合ってくれるよね」
むしろ祐之介の優しさが心地よくて甘えているのは俺のほうだ。けれども、俺はそれを照れくさくて口にはできなかった。
「みっちゃんは、僕の、ヒーローなんだ」
「大袈裟すぎだろ。つーか、さっきからやめてくれよ、恥ずかしいな」
祐之介は改めて正座をして、俺に向き直った。膝の上の拳は震えている。妙な空気が漂った。
「みっちゃんに……お、お願いが、あるんだ」
「お願い?」
「ぼ、僕を……、抱……いて、くれないかな」
その直後、アパートのすぐ裏に敷かれている線路の上を列車が通り、普段ならたいして気にならないであろうその騒音がやたら耳に響いた。列車が走り過ぎた途端に部屋の中に静寂が訪れる。
「……え……どういう……」
「みっちゃんはっ……男なんか興味ないの、分かってる……。きっと僕みたいなガリガリの硬い体触っても、絶対気持ち良くないって……。だけど僕は……みっちゃんが、好きだ」
思いがけない告白は、喜びでも驚きでもなく、ただ――ショックだった。
祐之介が俺を好き。紛れもない恋愛感情で、というのは祐之介の様子から分かる。普通なら喜ぶところかもしれない。俺だって同性愛者なのだから、互いに分かり合えるし、俺も種類は違っても祐之介が好きだ。
なんでショック?
今まで聞かされなかったから、気付かなかったから、……抱いてくれと頼んできたのが、親友だったからだ。俺の前で顔を真っ赤にして俯いている祐之介は、今まで見た中で一番頼りなくて、可愛い。体は細くて、色も白い。抱いてくれと言われて断るゲイはいないだろう。俺は本来、抱くより抱かれるほうが多いが、抱けと言われればたぶん、抱ける。
けれど問題はそこじゃないのだ。
もし、ここで一線を越えたら、俺と祐之介は「友達」じゃなくなる。互いに知ってはいけないものを知ってしまったような、友達同士の付き合いからズルズルと体の関係になるだけだ。そのうちに身動きが取れなくなって縁を切るしかなくなるだろう。
――それだけは、嫌だ。こいつだけは失いたくない。
一生親友のままで、いつまでも「みっちゃん」と「祐」の関係でいたい。こいつも今は「抱いてくれ」なんて言ってるけど、そのうち分かってくれるはずだ。
「……何、言ってんだよ。馬鹿も休み休み言えって」
口にした言葉は、自分でも驚くほど突き放したものだった。そして自分の意志とは関係なく、次々に溢れてくる。
「俺は男を抱く趣味はないぜ。なんだよ、酒も飲んでないのに酔ってんのか? ほら、さっさと服着ろよ」
祐之介の顔をまともに見られなかった。一瞬だけ見た祐之介の目は潤んでいて、頬も耳も真っ赤にして唇を震わせていた。
――そんな目で見ないでくれ。
重い沈黙が流れ、やがて祐之介は震える声で「そうだよね」と呟いた。
「ご、ごめんね。……ちょっと冗談、きつかったね」
「……おー……」
肌と衣服が擦れる音が聞こえた。いそいそと着替える祐之介の後姿が哀れで小さくて、心臓が真っ二つに引き裂かれるような痛みに襲われた。心の中で何度も謝った。
――ごめん、ほんと、ごめん、許して、意気地なしでごめん。
「……あ、仕事……ひとつ残ってたから、今日は帰るわ……」
「そっか……大変だね」
祐之介は振り返らずに、俺のあからさまな嘘に合わせてくれた。部屋を出ようとする俺を引き止めないのは、祐之介もこの空気が気まずいからだ。
「また、飲もうな」
「うん、……みっちゃん、ありがとう」
祐之介は最後まで振り返らなかった。
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