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archive: 2022年12月  1/2

BREAK OUT-LOW 6-4

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「ふ……ざけんな! じゃあ、お前はどうなんだよッ! お前だって違法な金利で取り立ててただろうが!」「俺はむしろ金を貸してやったんだ。いよいよ無理だって時に手を差し伸べてやったんだぜ。お願いしますと頼んで来たのはお前の親父だ。借りたら返す。貸したら返してもらう。ただそれをしただけだ。せっかく借りたのに資金繰りができないうえに返せない。だから潰れた。なぜ俺が責められる?」「弁護士を追い返してお前らが無茶...

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BREAK OUT-LOW 6-3

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「……恭一とは、お前の手下から逃げてる途中で知り合った。車にぶつかって、その相手がアイツだったんだ。車の修理代と俺の治療費を支払えと要求されたけど、その代わりに俺はある依頼をした。『俺の両親を殺した、ACフィナンシャルって闇金をやってた男を探して欲しい』ってな。もともと振り込め詐欺に加担したのはそいつに近付くためだった。だけど出し子が予想外に裏切ったからこっちも必死だったんだよ。……要求通り、俺は治療...

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BREAK OUT-LOW 6-2

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「随分長かったな。どんだけでかいクソしてんの」「いや、まあ、クソもあるけどよ」 片山は気まずそうに鼻を擦りながらポケットにスマートフォンを隠した。察した祥平は悪戯に笑ってからかった。「いい動画あった? 片山さん、コスプレ好きだよな」 ぎょっとしたあと、極まりが悪そうに舌打ちする。片山の好みはスマートフォンを乗っ取った時にほとんど把握してある。インターネットの検索履歴や保存データにあるアダルト動画は...

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BREAK OUT-LOW 6-1

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 二時間ほど動かし続けていた指を、祥平はふと止めた。 フー、と細い溜息をつきながら指の骨を一本ずつ鳴らしていく。何かに夢中になっているあいだは余計なことを考えなくて済むから昼夜問わずプログラムに没頭していたが、急に電池が切れたように集中力も途切れた。固まった首を回すついでに部屋を見渡す。広いリビング、大きなダイニングテーブル、高級そうなソファ。高層マンションの最上階から見下ろせる都会の景色。だが、...

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BREAK OUT-LOW 5-4

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「――お前はこっちの世界にいないほうがいい。今からでも間に合うから、きちんと正業に就いて表社会で堂々と生きろ」 祥平は不可解そうに首を傾げる。「青木は自分の利益のためなら相手が誰でも容赦なく殺す。お前みたいな素人が殺せる人間じゃない」「それでも諦めたくないって言ったよな」「お前の兄貴がなんで刑務所に入ったか分からないのか。ただ身代わりになっただけじゃない。お前に危害を加えられたら困るから、身代わりに...

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BREAK OUT-LOW 5-3

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 ――― 本当に面倒なことに首を突っ込んでしまった。 最初は青木が探しているかけ子を横取りしたら面白そうだという浅はかな好奇心だけだったのに、うっかり祥平に感化されたばっかりに、こんなことになってしまった。それでも「どうせ復讐なんてできるわけがない」と馬鹿にしていたから、暇つぶしのつもりで傍においた。思いの外役に立つから手放せなくなった。ただの仕事の延長線上で出会っていれば、なんの罪悪感もなく海外で...

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BREAK OUT-LOW 5-2

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 ――― ある晩、外出先で祥平から熱を出したと連絡が来た。熱があるだけで風邪らしい症状はないとのことで、帰りにスポーツドリンクを買ってきて欲しいと頼まれた。念のため解熱剤と喉越しが良さそうなゼリーも買っておく。 帰宅すると祥平はベッドではなくソファで寝ていたので、抱きかかえて寝室に運んだ。疲れた体を休めるためのとっておきのベッドを他人に占領されるのは気が進まないが、病人なので仕方がない。どうやって看...

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BREAK OUT-LOW 5-1

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 ある日曜日、恭一は祥平を連れて出掛けた。陽が昇り切らない早朝に、まだ寝ている祥平を担いで車に放り込んだのだ。祥平がようやく目を覚ましたのは目的地に着いてからだった。「どこだよ、ここ!? また勝手に連れてきたのか!」「起きないお前が悪いんだよ。いいから付いて来い」 舗装されていない山道で車から下りた。近くに小さな古い東屋があるだけで、周辺はただただ草木が生い茂っている。恭一はそこから更に分岐している...

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BREAK OUT-LOW 4-4

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*** 案の定、翌日青木に呼ばれて事務所に行った。青木からの呼び出しなど高確率で碌な内容じゃない。恭一はあらゆる想定をして万全の体勢で事務所に向かった。 秋元は不在らしく、事務所内は青木の側近で固められている。会議室の前には昨日、鼻の骨をへし折った大野がいた。「あ、大野。鼻水は止まったか? ちょっと力入れすぎちゃってよ」「本部長、俺、花粉症じゃないっす」「そうだったか? はい、これ治療費だ。受け取...

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BREAK OUT-LOW 4-3

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「お前のなんだっけ、それ」「アイスミルクティー」「タピオカは?」「ない。そういえば、何年か前に暴力団がタピオカドリンク売ってるって噂あったけど、本当?」「みんながみんなってわけじゃねぇし、売上をヤクザがピンハネしてるだけで、売ってるのはヤクザじゃねぇよ」「……今日、街中歩きながら自分たちが知らないだけでバックに暴力団がいる店って意外とあるんだろうなとか考えてた」「まあな。フロントの社員は自分の働いて...

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