fc2ブログ

B-R-eath

CATEGORY PAGE

category: ★僕はきみのために  1/8

僕はきみのために

(あらすじ)交通事故で足に障害が残った幼馴染で恋人の圭介のリハビリに付き合うため、小野寺達也は毎週日曜にフィットネスクラブに通っている。回復の兆しが見えず、リハビリにやる気がない圭介に頭を悩ませる中、達也はクラブでひとりのお節介な男・堤雅久(つつみがく)と出会う。パーソナルトレーナーとして働いている彼に圭介のことを相談するうちに、優しい人柄の雅久にじょじょに惹かれていくが、長年連れ添った圭介を見放...

  •  0
  •  -

番外編4

―‐― いつもより早めに仕事が終わった雅久は、浮かれた気分で自宅へ急いだ。今日は週末なので達也が会社帰りに家に寄ることになっている。あらかじめ合鍵は渡してある。達也が先に部屋に着いたら夕飯を拵えておくとのことだった。 共同階段を二段飛ばしで駆け上がり、扉を開けるとリビングに灯りが点いていて、思わず口元が綻んだ。ワイシャツの袖を捲った達也がキッチンに立っている。ネクタイを解いたあとの寛いだ首元が彼らし...

  •  0
  •  -

番外編3

 *** インターネットで「秋山渉 サッカークラブ」と検索をかけたら、トップで引っ掛かった。『あきやまジュニアサッカー教室』という名前で開いているらしい。アクセスを見ると、今の圭介の自宅からさほど離れていない場所にあった。練習日を確認して、圭介は思い切って秋山のサッカー教室を訪ねることにした。 練習はクラブの近くにある公園の多目的広場でおこなっているらしく、練習時間帯を見計らって直接公園へ向かった...

  •  0
  •  -

番外編2

 それから秋山はこれまでと態度を変えることなく圭介に接した。練習での相談や他愛のない世間話、監督やチームメイトと諍いがあった時は相変わらず秋山が助舟を出す。あまり関わらないほうがいいだろうと思ってはいたが、秋山の人間性は嫌いじゃないし、無碍にもできない。宣言通り、秋山は圭介が男と付き合っていることを言いふらしたり、つき纏ってくることもなかったので、圭介も必要以上に突き放したりはしなかった。 秋山か...

  •  0
  •  -

番外編1

 達也と別れてから、圭介は1LDKの賃貸アパートに越した。もともとふたりで広々と暮らすために借りたマンションだった。独りになった今では、わざわざ高い家賃を払ってまで居座る必要はない。 達也と話をした数日後、彼は早々に新しい住居を見つけて瞬く間に引っ越した。家具は使ってくれと言われたが、ダブルベッドもソファもひとりで使うには大きすぎる。思い出が詰まっている、なんて女々しいことを言いたくはないが、やは...

  •  0
  •  -