category: ★Frozen eye 1/4
Frozen eye

(あらすじ)日々様々な患児を前に奮闘する小児科医の敬吾は、恋人の優香から高校生の息子を紹介される。思わず息を飲むその美少年が持つのは、傷だらけの身体、そして恐れすら抱くほどの凍てついた眼差しだった。 若手医師と、身も心も傷付いた少年とのヒューマンストーリー。若手小児科医×美少年。★本編は同人誌化により非公開にさせていただきました。本作はこちらからお買い求めいただけます。【BOOTH】BREATHE.comhttps://ode...
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朝倉 雄大 5
***「―——それでは、本当にお世話になりました」 二ヵ月の研修が終わり、とうとう小児科を去る時が来た。あれだけ待ち侘びたのに、いざ終わるとなると寂しくなる。 病院の人たちは優しい人ばかりで、最後は小児科の医師も看護師もみんなが見送ってくれた。「せっかく慣れてきたところだったのに、残念だわぁ。次の科でも頑張ってね」「はい」「いつでも戻って来いよ」「それは分かりませんけどね」 そして最後は飯島先生が...
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朝倉 雄大4
***「あったま痛ぇ……」 調子に乗って飲み過ぎて、結局明け方まで酒が抜けなかった。顔の赤みが引いて足取りがしっかりしてきたのは、つい二時間ほど前からだ。でもまだ頭痛が残っている。「おはようございます、朝倉先生。昨日はありがとう」 後ろからポン、と背中を叩かれた。いつもの爽やか笑顔の飯島先生だ。スイッチはバッチリ、オンに切り替わっている。飯島先生もけっこう飲んでいたような気がするけど、少しも酒が残っ...
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朝倉 雄大3
――― まさか飯島先生と二人きりでメシを食うことになるなんて、考えたこともなかった。 せっかく今日はひとりでのんびりしようと思ってたのに、ツイてない。 ただ、飯島先生のチョイスだから勝手に小洒落たイタリアンとかフレンチとかバーとかかと思いきや、煙草臭いボロい焼き鳥屋だったので胸を撫で下ろした。少し意外だが。 座敷の席に向かい合って腰を下ろすと、先生は「なんでも頼んでいいよ」と、勤務中より明るめの声...
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朝倉 雄大2
*** 季節的にインフルエンザやロタなどウイルス感染した患児が多い。 翌日の診療で訪れた患児の半分は、インフルかRSだった。 この日も診察をするのは飯島先生で、俺はあやしたり指示されたことをする。 時々、「朝倉先生も診てみて」と言われるが、所見は大体同じだ。「三日前から熱と咳が出てまして。あと膝が痛いって……」 発熱、咳、……関節の痛み、「溶連菌感染症の検査をしましょうか」 ――ま、そうだろう。 ―——「朝...
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